「なんとなく」をなくす!読書を生活の一部にするシンプルな仕組み化ステップ
読書を習慣にしたいと思いつつも、「忙しくて時間がない」「なんとなく手が進まない」と感じている方は多いのではないでしょうか。新しい本を買っても積読になってしまったり、読み始めても途中で挫折したりすることもあるかもしれません。
読書を習慣にするためには、気合いや根性といった意志力に頼るのではなく、「仕組み」を作ることが有効です。私たちの日常は、朝起きたら顔を洗う、食事の前に手を洗う、といった様々な行動が習慣として組み込まれています。これと同じように、読書も生活の中に自然な流れで組み込むことができれば、無理なく続けられるようになります。
この記事では、読書が苦手な方や時間がない方でも実践できる、読書を生活の一部にするためのシンプルな仕組み化ステップをご紹介します。
なぜ読書習慣には「仕組み化」が大切なのか?
私たちは日々、様々な誘惑や予定に囲まれて生活しています。「今日は疲れているから」「別のことを優先したい」といった気持ちが湧くと、読書は簡単に見送られてしまいがちです。意志力は有限であり、毎日使っていると疲弊してしまいます。
そこで重要になるのが「仕組み化」です。仕組み化とは、特定の行動を、特定の状況や既存の行動と結びつけることで、無意識のうちに実行できるようにすることです。「朝食後にコーヒーを飲む」という習慣がある人が、「コーヒーを淹れている間に1ページだけ本を読む」と決めれば、読書はコーヒーを飲むという既存の行動に紐づき、実行されやすくなります。
このように、読書を生活の中の既存のルーティンや特定の時間帯とセットにすることで、読書を始める際の心理的なハードルを下げ、行動を自動化していくことが可能になります。
読書を生活に組み込むシンプルな仕組み化ステップ
ここでは、読書を日常に組み込むための具体的なステップをご紹介します。どれもすぐに実践できる簡単なものばかりです。
ステップ1:現状の生活リズムを知る
まずは、ご自身の普段の生活を振り返ってみましょう。
- 朝起きてから家を出るまで
- 通勤・通学の時間
- お昼休憩
- 仕事や作業の合間
- 帰宅してから寝るまで
これらの時間帯の中で、「少し時間が空く瞬間」「気分転換したい瞬間」「特に何もしていない時間」はありますか? 例えば、
- 朝食後の片付けが終わった後
- 電車の待ち時間
- 会議と会議の間の短い時間
- お風呂にお湯をためている間
- 寝る前にベッドに入ってから眠りにつくまで
こうした隙間時間や特定の行動の直後が、読書を組み込むチャンスです。意識して探してみると、意外と多くの時間が見つかるかもしれません。
ステップ2:読書を始める「トリガー(引き金)」を決める
次に、ステップ1で見つけた時間や行動を「トリガー」として設定します。トリガーとは、「このトリガーが発生したら、読書をする」と事前に決めておく合図のようなものです。
例えば、
- 「朝のコーヒーを淹れたら、本を開く」
- 「通勤電車に乗ったら、本のページをめくる」
- 「ランチを食べ終わったら、次の行動に移る前に5分だけ読む」
- 「寝る前にベッドに入ったら、枕元に置いた本を読む」
このように、「いつ」「何をした後」に読書を始めるかを具体的に決めます。重要なのは、曖昧な「時間ができたら」ではなく、特定の行動や時間帯に紐づけることです。
ステップ3:「いつ」「どこで」「何を」「どれだけ」を具体的に決める
トリガーが決まったら、さらに具体的に計画を立てます。これが「仕組み」の核となります。
- いつ(When): ステップ2で決めたトリガーのタイミング。例:「朝食後」「通勤電車に乗ったら」
- どこで(Where): 読書をする場所。例:「リビングのソファ」「電車の座席」「ベッドの上」
- 何を(What): 読む本。事前に読む本を決めておきましょう。苦手意識がある場合は、興味のある分野や薄い本、文字の大きい本などがおすすめです。
- どれだけ(How much): 読む量や時間。最初は極めて小さい目標に設定することが重要です。 例:「1ページだけ」「3分だけ」「次の駅まで」
例えば、「朝食後の片付けが終わったら、リビングのソファに座り、あらかじめ用意しておいた本を1ページだけ読む」というように、具体的に決めます。この「1ページだけ」というのがポイントです。ハードルを極限まで下げることで、「これならできそう」と思えるレベルに調整します。
ステップ4:実行する
仕組みができたら、あとは実行あるのみです。トリガーが発生したら、設定した場所で、決めておいた本を、決めておいた量だけ読みます。
もし、決めた通りにできなくても、自分を責める必要はありません。「今日はできなかったな」と客観的に受け止め、次の機会にまた挑戦すれば大丈夫です。完璧を目指すのではなく、まずは「やってみる」ことを繰り返しましょう。
ステップ5:記録する・振り返る
読書を実行したら、簡単な記録をつけましょう。カレンダーにシールを貼る、チェックボックスにチェックを入れる、簡単な読書記録アプリを使うなど、方法は問いません。
記録をつけることで、自分が読書できた日、できなかった日が視覚的に分かります。これは達成感に繋がり、モチベーション維持に役立ちます。また、記録を振り返ることで、どのようなタイミングで読書できたのか、できなかった原因は何だったのかなどを分析し、仕組みを改善していくヒントが得られます。
仕組みをより強固にするためのヒント
上記のステップと合わせて実践すると、さらに読書習慣が定着しやすくなるヒントをご紹介します。
- 読む場所を整える: 読書をする場所に、読む本と飲み物だけを用意するなど、すぐに読書に入れる環境を整えておきましょう。スマホなどが目に入らないようにする工夫も有効です。
- 本を常に近くに置く: 読むと決めた本を、よく過ごす場所(デスクの上、カバンの中、ベッドサイドなど)に置いておきましょう。目につく場所に本があるだけで、「読もう」という意識が芽生えやすくなります。
- 読書仲間を作る(緩やかな連携): 友人や家族に「今日から寝る前に5分だけ本を読むことにしたんだ」と宣言したり、SNSで「#読書習慣」のようなハッシュタグをつけて今日の進捗を共有したりするのも良いでしょう。誰かに見られているという意識が、継続のモチベーションに繋がることがあります。ただし、義務感になりすぎないよう、緩やかな繋がりがおすすめです。
- 読み終わった本を可視化する: 読み終わった本を特定の本棚にまとめたり、読書記録リストを作ったりすることで、自分がこれだけ読めたという達成感を得られます。
- 完璧を目指さない柔軟性: 毎日決めた通りにできなくても問題ありません。「今日は無理だったけど、明日はやろう」と切り替えたり、体調が悪い日はお休みしたりと、柔軟な姿勢で取り組みましょう。読書習慣はあくまで、あなたの人生を豊かにするためのツールです。
まとめ
読書習慣は、特別な才能や強い意志がなくても、「仕組み」を作ることで誰でも身につけることが可能です。
- 生活の中の読書チャンスを見つける。
- 「〇〇したら読書をする」というトリガーを決める。
- 「いつ」「どこで」「何を」「どれだけ」を具体的に、ハードルを低く設定する。
- 設定した仕組みに従って実行する。
- 記録をつけて振り返り、仕組みを改善する。
これらのステップを実践することで、「なんとなく」で終わっていた読書が、あなたの日常に自然と組み込まれていくはずです。まずは「1ページだけ」から。小さな一歩を踏み出してみましょう。