もう頑張らない!既存の習慣に「読書」をプラスするだけの簡単テクニック
読書習慣を身につけたいと考えていても、「なかなか時間が取れない」「どう始めたらいいか分からない」と感じている方は多いかもしれません。特に仕事やプライベートで忙しい日々を送っていると、新しく読書の時間を作るのは難しく感じられます。
しかし、読書を習慣化するために、必ずしも特別な時間や場所を用意する必要はありません。実は、私たちが日々無意識に行っている「既存の習慣」を利用することで、驚くほど簡単に読書を生活に取り入れることができます。
この記事では、「読書習慣をゼロから作るのが難しい」と感じているあなたへ、今ある生活リズムの中に読書を自然に組み込むための具体的なステップをご紹介します。
なぜ「既存の習慣にプラスする」のが効果的なのか
新しい習慣をゼロから作り出すのは、多くのエネルギーを必要とします。意志の力だけで続けようとしても、三日坊主になってしまうことは珍しくありません。
一方、既存の習慣は、すでに私たちの行動パターンの中に定着しています。例えば、朝起きたら顔を洗う、歯を磨く、といった行動は、特に意識しなくても自然に行っているはずです。
この「すでに根付いている行動」をトリガー(引き金)として利用し、その直後に読書という新しい行動を紐づけることで、読書も既存の習慣に引っ張られるようにして行いやすくなります。これは「習慣の積み上げ(ハビット・スタッキング)」と呼ばれる考え方に基づいています。
すでにある強い習慣に、新しい小さな習慣を結びつけることで、無理なく、自動的に読書を始めるきっかけを作ることができるのです。
ステップ1:あなたの「既存の習慣」を見つけてリストアップする
まずは、あなたが毎日無意識に行っている行動をいくつか書き出してみましょう。特別なことでなくて構いません。
例えば、
- 朝起きたら、まずコップ一杯の水を飲む
- 出かける前に鍵、財布、スマホをチェックする
- お昼休みにお弁当を食べる
- 帰宅したら、まず手を洗う
- 寝る前に歯を磨く
など、当たり前の行動で大丈夫です。これらの行動は、読書を始めるための強力なトリガー候補となります。
ステップ2:「この行動の後に読書をする」というルールを決める
ステップ1で見つけた既存の習慣の中から、読書を結びつけたい行動を選びます。そして、「〇〇をしたら、すぐに△△(読書)をする」という明確なルールを決めます。
ルールは具体的であればあるほど効果的です。
具体的なルール例:
- 「朝食を食べ終わったら、テーブルの上で本を1ページだけ開く」
- 「電車で最寄り駅に着いたら、改札を出る前に本をカバンにしまう」
- 「家に帰って手を洗ったら、ソファに座って本を3分だけ読む」
- 「寝る前に歯磨きを終えたら、ベッドの横に置いた本を1章だけ読む」
- 「休憩時間に入ったら、コーヒーを入れる前に本を5分だけ読む」
ポイントは、「〇〇をしたらすぐに△△をする」という「直後」に設定すること、そして△△(読書)の内容を「〇分だけ」「〇ページだけ」のように最小単位で具体的に決めることです。
ステップ3:超小さく始めることを徹底する
習慣化の最初の段階では、読書時間やページ数は極めて少なく設定します。極端な話、1分でも、1ページでも構いません。目的は「読むこと」そのものよりも、「決めたトリガー行動の後に、読書という行動を始める」という流れを定着させることです。
例えば、「朝食後に1ページだけ開く」というルールなら、本当に1ページだけ読んで終わりにしても成功です。物足りなく感じるかもしれませんが、これで十分です。この「小さく始めて必ず成功体験を得る」ことが、習慣を根付かせる上で非常に重要になります。
「これならどんなに疲れていてもできそうだ」と感じられるレベルまで、ハードルを下げてください。
ステップ4:できたことを記録・確認する
習慣化をサポートするために、できたことを記録したり確認したりする仕組みを取り入れるのも有効です。大げさな読書記録でなくても構いません。
例えば、
- 手帳やカレンダーに簡単なチェックマークをつける
- スマホのリマインダーアプリで完了通知をタップする
- 読書に使う本のページにしおりを挟む
など、自分がルール通りに読書行動を「開始できた」という事実を確認できる簡単な方法で十分です。この小さな達成感が、継続へのモチベーションにつながります。
継続のためのヒント
既存の習慣に読書をプラスする方法を成功させるために、いくつか追加のヒントがあります。
- 本をすぐに手に取れる場所に置く: ルールを決めた行動のトリガーとなる場所(例:朝食を食べるテーブル、寝る前のベッドサイド)の近くに、読むと決めた本を置いておきましょう。すぐに読書に移れるように物理的な準備をしておくことが大切です。
- 読む本にこだわりすぎない: 最初のうちは、内容の難易度やジャンルにこだわる必要はありません。ページ数が少ないもの、読みやすいと感じるものを選びましょう。読むこと自体を「楽しい」「簡単だ」と感じられることが優先です。
- 完璧を目指さない: 毎日完璧に実行できなくても落ち込む必要はありません。できなかった日があっても、「明日また決められたトリガーの後に読書を始めよう」と切り替えることが重要です。習慣は一直線には定着しません。
- 慣れてきたら少しずつ時間や量を増やす: 習慣が定着してきたら、無理のない範囲で読む時間やページ数を増やしてみましょう。ただし、焦りは禁物です。
まとめ
読書習慣は、気合いや特別な努力だけで身につけるものではありません。私たちがすでに持っている日常の行動に、読書という新しい行動をそっと結びつけることから始めることができます。
「〇〇の後に△△(読書)を〇分だけ行う」というシンプルなルールを作り、それを毎日小さく実行してみてください。この積み重ねが、気づけば自然と読書をする自分を作り上げてくれます。
忙しい日常の中でも、この「習慣の積み上げ」を活用して、読書を無理なく生活の一部にしていきましょう。