Web記事を読むように気軽に!興味のタネから始める読書習慣
読書習慣を身につけたいけれど、何から始めれば良いか分からない、あるいは忙しくて時間が取れないと感じている方は多いのではないでしょうか。難しい本に挑戦したり、まとまった時間を確保しようとしたりする必要はありません。実は、普段私たちがWeb記事やSNSを見ている中で生まれる小さな「興味のタネ」が、自然な読書習慣への入り口になり得るのです。
この記事では、いつもの情報収集から読書へ無理なく繋げるための具体的なステップをご紹介します。「読書は苦手」と感じている方でも、きっと気軽に始められる方法が見つかるはずです。
なぜ「興味のタネ」から始めるのが良いのか
読書を習慣にするのが難しいと感じる理由の一つに、「何を読めば良いか分からない」「面白くなかったらどうしよう」といった不安があります。いわゆる「読書のための読書」になってしまい、ハードルが高く感じられるケースです。
しかし、普段の生活の中で自然と生まれた「興味のタネ」から始める読書には、いくつかの利点があります。
- 高いモチベーション: 自分自身が心から「知りたい」「気になる」と感じたことなので、意欲的に取り組めます。
- 挫折しにくい: 全く未知の分野よりも、少しでも興味があるテーマの方が抵抗なく読み始められます。面白くなければ途中でやめても良い、という気楽さも重要です。
- 自分に合った本に出会いやすい: 興味のタネを深掘りしていく過程で、本当に求めている情報や考え方に触れる機会が増えます。
このように、「興味のタネ」は、読書を特別なものから日常の一部へと変えるための有効な出発点となります。
ステップ1:興味のタネを見つける(いつもの情報収集でOK)
最初のステップは、特別なことではなく、普段の生活の中で「何となく気になるな」「もう少し知りたいな」と感じる瞬間を意識することです。これは、あなたがWeb記事やSNSを見ている時、通勤中、あるいは誰かと話している時など、あらゆる場面で起こり得ます。
例えば、以下のような瞬間は、興味のタネを見つけるチャンスです。
- SNSで流れてきたニュースの見出しに目が留まった
- Web記事で読んだ内容の関連情報に興味を持った
- 職場の会話で初めて聞く専門用語が出てきた
- 通勤中に見た広告で紹介されていたサービスについて知りたいと思った
- 書店や図書館の前を通りかかり、本のタイトルや装丁に惹かれた
- 見ている動画や映画で紹介されていた場所や歴史に興味を持った
これらの「気になる」という小さな心の動きを捉えることが、読書習慣の第一歩となります。メモを取る習慣がなくても構いません。まずは意識するだけで十分です。
ステップ2:興味のタネを「本」と紐づける
興味のタネが見つかったら、次はそれを「本」という形と結びつけてみます。この段階でも、すぐに本を買う必要はありません。まずは「どんな本があるのだろう?」と探してみることから始めましょう。
具体的な方法としては、以下が考えられます。
- インターネット検索: 見つけたキーワードやフレーズを検索エンジンで調べてみます。「〇〇(キーワード) 本」「〇〇 入門」「〇〇 初心者向け」といった言葉を加えて検索すると、関連書籍の情報が見つかりやすくなります。
- オンライン書店の活用: Amazonや楽天ブックスなどのオンライン書店でキーワード検索してみましょう。商品のページには「関連商品」や「この商品を買った人はこんな商品も買っています」といった情報が表示されることがあり、思わぬ本との出会いがあるかもしれません。
- 図書館の蔵書検索: 自宅や職場の近くの図書館のウェブサイトで蔵書を検索してみるのも良い方法です。図書館なら、気軽に借りて試すことができます。
- SNSでの情報収集: TwitterやInstagramなどで、ハッシュタグ検索を使って関連情報を探してみるのも有効です。本を紹介しているアカウントや、同じ興味を持つ人の投稿から、読むべき本のヒントが得られることがあります。
このステップの目的は、興味のタネに関連する本がどのようなものかを知ることです。難しそうな専門書ばかりなら別のタネを探しても良いですし、読みやすそうな本が見つかれば次のステップへ進みましょう。
ステップ3:小さな一歩で「読む」を体験する
興味のタネから関連する本が見つかったら、いよいよ「読む」という行動に移ります。ここでも「最初から最後まで完璧に読まなければ」と気負う必要は全くありません。まずは、ごく小さな一歩から始めてみましょう。
試してみていただきたいのは、以下のような方法です。
- 「立ち読み」や「試し読み」をする: 書店で実物を手に取ってみる、あるいはオンライン書店の試し読み機能を活用します。数ページ読むだけでも、その本の雰囲気や内容の一部を掴むことができます。
- 目次とまえがきを読む: 本全体を読まずとも、目次を見ればどのような構成になっているかが分かります。まえがきには、著者がその本で伝えたいことや書かれた背景が書かれていることが多く、興味が深まることがあります。
- 一番興味のある章だけ読んでみる: 全体を読破する必要はありません。目次を見て、最も「読みたい」と感じる章を選び、そこだけ集中して読んでみます。
- 図書館で借りてみる: 購入するよりもハードルが低く、気に入らなければ返せば良いだけです。気軽に様々な本を試せます。
- オーディオブックを試す: 音声で内容を聞けるオーディオブックなら、通勤中や家事をしながらでも「読む」体験ができます。最初の数分だけでも試してみるのも良いでしょう。
このステップで大切なのは、「最後まで読まなくてはいけない」というプレッシャーを持たないことです。少しでも読んでみて「面白い」「もっと知りたい」と感じたら、次のステップに進めば良いのです。
ステップ4:続けるための工夫
小さな一歩で「読む」を体験し、もしその本が面白かったり、興味がさらに湧いたりしたら、次の行動に移してみましょう。
- 面白かったら読み進める、または次の本へ: もし読み始めた本が面白ければ、そのまま読み進めてみます。もし途中で飽きてしまったり、難しく感じたりしたら、潔く読むのを止めても構いません。別の「興味のタネ」から見つけた次の本に移りましょう。本は最後まで読むべき、という固定観念を手放すことが、読書を続ける上では非常に重要です。
- 「興味のタネ」リストを作る: 見つけた興味のタネをスマートフォンのメモ機能などにリストアップしておくと、次に読む本を探す際に役立ちます。箇条書きでキーワードだけを書き出すので十分です。
- 記録はシンプルに: 読んだ本の全てを詳細に記録する必要はありません。もし記録したいのであれば、本のタイトルと「なぜこの本を読んだのか(興味のタネ)」だけを簡単にメモする、といった負担の少ない方法から始めてみてはいかがでしょうか。
まとめ
読書習慣は、特別な努力や才能が必要なものではありません。普段、あなたがWeb記事やSNSで何気なく見ている「気になる」という小さな心の動きを拾い上げ、それを手がかりに本を探し、小さな一歩で「読む」という体験を重ねていくことで、自然と身についていくものです。
「読書のための時間がない」「長文を読むのが苦手」と感じていても大丈夫です。いつもの情報収集の延長線上に読書を位置づけ、「興味のタネ」を追いかけるように本と触れ合ってみてください。きっと、あなたの世界を広げる新たな扉が開かれるはずです。