読書内容を無駄にしない!続けるための簡単な振り返りステップ
読書を始めたものの、「せっかく読んだのに、内容をすぐに忘れてしまう」「結局何も身についていない気がする」と感じることはありませんでしょうか。仕事や日々の忙しさの中で本を読む時間を確保しても、内容が定着しないと感じると、読書を続けるモチベーションを保つのは難しくなります。
しかし、少しの工夫で、読んだ内容を記憶に残し、読書からより多くのものを得られるようになります。それが「振り返り」の習慣です。大げさな作業は必要ありません。ここでは、読書が苦手な方や時間がない方でもすぐに実践できる、簡単な振り返りのステップをご紹介します。
なぜ「振り返り」が読書習慣化に繋がるのか
読んだ内容を振り返ることは、単に記憶を定着させるだけでなく、読書習慣を継続するためにいくつかの重要な役割を果たします。
- 内容の定着: 読んだ情報を脳に再認識させることで、長期記憶に繋がりやすくなります。
- 理解の深化: 自分の言葉でまとめることで、内容が本当に理解できているか確認できます。
- 興味の再発見: どこに興味を持ったか、何に気づいたかを振り返ることで、次の読書への意欲が湧きます。
- 達成感: 読んだ本の内容を「消化できた」という感覚が得られ、読書を続ける自信になります。
これらのメリットは、読書が「なんとなく読む」から「意味のある活動」へと変わり、習慣として根付きやすくなるための大切な要素です。
今日からできる!簡単な振り返り5ステップ
それでは、誰でも手軽に実践できる、具体的な振り返りのステップをご紹介します。すべてを一度に行う必要はありません。まずは一つか二つ、取り組みやすそうなものから試してみてください。
ステップ1:読み終えたら「一行」でまとめる
本を読み終えたら、その場で本のテーマや最も伝えたいこと、自分が一番印象に残ったことを一行だけでまとめてみましょう。
- 例:「新しい習慣は小さな一歩から始めるのが成功の秘訣だと分かった。」
- 例:「この小説は、見慣れた日常の中にある小さな幸せを描いていた。」
たった一行ですが、これを行うことで本全体の要点が頭の中で整理されます。本のタイトルとセットでメモしておくと良いでしょう。
ステップ2:各章や節の「気づき」を3つ書き出す
一冊まるごとだと大変であれば、各章や節を読み終えるたびに、「これ面白いな」「これは使えるな」「なぜだろう?」と感じたポイントを3つだけ書き出してみます。箇条書きで構いません。
- ノートの隅に書く、付箋を使う、スマートフォンのメモアプリを使うなど、ツールは何でも結構です。
- この段階では、感想や疑問でも構いません。内容を正確にまとめることよりも、自分の心が動いた点を拾い上げることに重点を置きます。
この作業は、読書中の集中力を保つ助けにもなります。
ステップ3:「誰かに話す」前提でまとめてみる
読んだ内容を家族や友人、職場の同僚などに話してみることを想定して、頭の中で内容を整理してみましょう。実際に話す機会がなくても構いません。
- 「もしこの本の内容を紹介するとしたら、どのポイントから話そうか?」
- 「一番面白かったエピソードは何だろう?」
- 「この本を読んだことで、自分はどう変わったか、どう考えたか?」
このように考えることで、内容が自然と整理され、自分にとって重要な部分が明確になります。SNSやブログに短い感想を書くのも効果的な「話す」行為になります。
ステップ4:自分にとっての「キーワード」を見つける
本全体を通して、あるいは特定の章で、自分にとって特に重要だと感じたキーワードをいくつか選び出してみます。
- そのキーワードが、本の内容を思い出したり、人に説明したりする際の取っ掛かりになります。
- 選んだキーワードについて、なぜ重要だと感じたのか、簡単に補足しておくとさらに理解が深まります。
ステップ5:既存のメモツールやアプリを「サクッと」活用する
特別な読書ノートを作る必要はありません。普段から使っているスマートフォンのメモアプリ(Google Keep, Evernote, Apple純正メモなど)、PCのテキストエディタ、あるいは物理的な手帳などを活用しましょう。
- これらのツールに、ステップ1〜4で実践した「一行まとめ」「気づき3つ」「キーワード」などを手軽に記録していきます。
- 重要なのは「すぐに」「簡単に」記録できることです。複雑な操作や入力が必要なツールは、習慣化のハードルを上げてしまいます。
振り返り習慣を続けるためのコツ
振り返りの習慣を定着させるためには、いくつかのコツがあります。
- 完璧を目指さない: 毎回全てのステップを行う必要はありません。今日は一行だけ、今日はキーワードだけ、という日があっても全く問題ありません。「やらないよりはマシ」という気持ちが大切です。
- タイミングを決める: 「読書後5分以内」「通勤電車の中」「寝る前の5分」など、振り返りを行うタイミングをあらかじめ決めておくと、行動に移しやすくなります。
- 読書プロセスの一部と捉える: 振り返りを作業ではなく、「本を読む」という行為の自然な一部だと捉えましょう。
- アクセスしやすいツールを使う: すぐに開けて、すぐに書き込めるツールを選びましょう。手元に常にあるスマートフォンは非常に便利です。
まとめ
せっかく時間を作って読書をするのであれば、その内容をしっかりと自分のものにしたいものです。しかし、長文を読むことや内容を記憶することが苦手だと感じていても、失望する必要はありません。
今回ご紹介した「簡単な振り返りステップ」は、読書の内容を定着させ、読書から得られるものを最大化するための効果的な方法です。そして、内容が身についているという実感は、次の本を読むモチベーションとなり、読書習慣を継続する強力な後押しになります。
まずは、今日読んだ本について、たった「一行」でまとめてみることから始めてみてはいかがでしょうか。小さな振り返りの積み重ねが、きっとあなたの読書生活を豊かにし、習慣化への道を力強くサポートしてくれるはずです。