読書が続かないあなたへ:「全部読まない」読み方のススメ
読書を習慣にしたいけれど、「読むのに時間がかかる」「集中力が続かない」「最後まで読み切れない」といった悩みを抱えていませんでしょうか。特に、日々の仕事やプライベートで忙しいと、まとまった読書時間を確保するのも難しいと感じることでしょう。
真面目な方ほど、「一度読み始めたら、最初から最後までしっかり読まなければならない」と考えがちです。しかし、その考え方が読書へのハードルを高め、結果的に読書から遠ざけてしまっているのかもしれません。
そこで今回は、読書が苦手、あるいは忙しくて時間がないという方に向けて、「全部読まない」という新しい読み方をご提案します。この方法を取り入れることで、読書への負担を減らし、無理なく読書を習慣化できるようになるでしょう。
なぜ「全部読まない」読み方が有効なのか?
「全部読まない」という読み方は、決していい加減な読書を推奨するものではありません。むしろ、あなたの目的や状況に合わせて、効率的に、そして心理的な負担を減らして本と向き合うための賢い方法です。
この読み方が有効な理由はいくつかあります。
- 心理的ハードルが下がる: 「全て読まなければ」というプレッシャーから解放され、「まずはここだけ読んでみよう」と気軽に手に取れるようになります。
- 短時間でも取り組める: 全体を読む必要がないため、数分や数十分のスキマ時間でも読書に取り組むことが可能です。
- 集中力が持続しやすい: 興味のある部分や必要な情報だけに焦点を当てることで、集中力が途切れにくくなります。
- 必要な情報に早くたどり着ける: 全体を網羅的に読むのではなく、目的に沿って必要な情報だけを探し出すため、効率よく知識を得られます。
- 挫折しにくくなる: 最初から最後まで読み切ることにこだわらないため、「読み終わらなかった」という挫折感を味わうことが減ります。
具体的な「全部読まない」読み方のステップ
では、具体的にどのように「全部読まない」読書を進めていけば良いのでしょうか。いくつかのステップとコツをご紹介します。
ステップ1:読書の「目的」を明確にする
まず、なぜその本を手に取ったのか、何を知りたいのかを明確にしましょう。 * 仕事で役立つ知識を得たいのか? * 特定の問題の解決策を知りたいのか? * 著者の考え方に触れたいのか? * 単純に面白そうだと感じたのか?
目的が明確であれば、本の中でどの部分が自分にとって重要なのかを判断しやすくなります。
ステップ2:全体像を掴む
最初から本文を読み始めるのではなく、まずは本の全体像を掴みましょう。 * タイトル、帯、カバー: 本のテーマやターゲット層を理解します。 * まえがき、あとがき: 著者が何を伝えたいのか、どのような思いで書かれたのかを知る手がかりになります。 * 目次: これが最も重要です。本の構成、章や節のタイトルを見ることで、どのような内容が、どのような順番で書かれているのかが分かります。興味のある章や、目的と合致しそうな章をここで見つけましょう。
ステップ3:興味のある章や必要な箇所だけを読む
全体像を把握したら、いよいよ本文に入りますが、必ずしも最初から順番に読む必要はありません。 * 目次で見つけた興味のある章・節から読み始める: 気になる部分から「つまみ読み」します。 * ざっと全体に目を通す(パラパラ読み): ページをめくりながら、写真、図、グラフ、太字になっている箇所、見出しなどに注目します。気になるキーワードや文章があれば、そこをじっくり読んでみます。 * 索引を活用する: 特定のキーワードについて知りたい場合は、巻末の索引を使って、関連するページに直接ジャンプするのも有効です。
ステップ4:斜め読み・拾い読みで効率アップ
情報収集が目的の場合など、文章を隅から隅まで読む必要がないこともあります。 * 斜め読み: 文章全体をなぞるようにざっと読み進め、重要な箇所やキーワードだけを拾い読みします。 * 拾い読み: 特定の情報を探しながら、必要な部分だけをピンポイントで読みます。Web記事で目的の情報だけを探すときのように、キーワードを目で追うイメージです。
ステップ5:途中で読むのをやめる「勇気」を持つ
これが最も大切なポイントかもしれません。「この本は今の自分には合わないな」「必要な情報はもう得られたな」と感じたら、途中で読むのをやめても良いのです。
- 「読み切らなくても大丈夫」と自分に許可を与える: 積読が増えることに罪悪感を感じる必要はありません。その本を読むタイミングが今ではなかっただけ、と考えましょう。
- 潔く次の本へ移る: 一冊にこだわりすぎず、どんどん新しい本を手に取ってみることも大切です。
「全部読まない」読み方を習慣化するためのヒント
この読み方を習慣にするためには、いくつかのヒントがあります。
- 完璧主義を手放す: 「しっかり読まなければ」という考えを捨て、「本から何か一つでも学びを得られればOK」という気持ちで臨みましょう。
- 読書時間を固定しない: スキマ時間や移動中、寝る前など、数分でも本を開く習慣をつけましょう。
- 好きなジャンルや読みやすい本から試す: 最初はビジネス書だけでなく、趣味に関する本や小説など、純粋に興味を持てる本から始めてみるのがおすすめです。
- 読んだ本や興味を持った点を簡単に記録する: 「この本は〇〇について書かれていた」「△△という点が面白かった」など、一行でもメモを取ると、後から役立ちますし、読んだことの実感にも繋がります。
まとめ
読書を習慣にする道は、必ずしも「一冊を完璧に読み切る」ことだけではありません。「全部読まない」という読み方は、読書への心理的なハードルを下げ、忙しい日常の中でも無理なく本と向き合うことを可能にします。
この方法を取り入れることで、「読まなきゃ」という義務感から解放され、「読んでみようかな」という気軽な気持ちで本を手に取れるようになるはずです。
ぜひ、今日から「全部読まない」読み方を試してみて、あなた自身のペースで読書を楽しんでみてください。きっと、読書が今よりずっと身近で、楽しいものになるはずです。